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学会員各位

2004年9月1日
陸水学会会長 小倉紀雄

 すでに皆様にメーリングリスト、学会HP、学会誌に同封しました手紙にてご案内しておりますように、当学会が事務作業を委託しておりました(財)日本学会事務センターが、民事再生法適用の申請を却下され、8月6日付けで倒産しました。

 現在、会長はじめ執行部で対応を進めておりますが、ここに、1.これまでの経過、2.8月17日の説明会の概要、3.陸水学会の今後の対応、以上3点についてまとめましたのでご報告します。

1.(財)日本学会事務センターの破産宣告までの経緯と日本陸水学会の対応

下線を付したところが日本陸水学会の対応)

2003年3月  グループ会社(ユーティリティセンター)の元社長が約5,700万円を横領する不祥事が発覚。
2004年
7月5日 事務センターの経営悪化及び学会預かり金流用に関する新聞報道。
7月7日 陸水学会メーリングリストにて会員に連絡し、7月11日開催の説明会に庶務幹事が参加する旨を報告。
7月10日 第1回学会事務センター再建計画説明会(東京、学士会館)
7月11日 第2回学会事務センター再建計画説明会(大阪、コロナホテル)。庶務幹事が出席。
7月12日 第3回学会事務センター再建計画説明会(東京、東京大学弥生講堂)
 いずれの説明会でも、「再建計画が甘すぎる」との批判を受け、白紙撤回の後、新たな再建策を7月下旬までに作成し、8月上旬の緊急理事会で審議した後、お盆までには再度説明会を実施すると回答した。また、「理事会の責任において預かり金は必ず返す」と明言した。
7月23日 民間企業(企業名や具体的な内容は示されず)によるバックアップの可能性について、メールにて連絡が入る。
8月6日 学会事務センターが、突如、東京地方裁判所に民事再生手続き開始の申し立てを行う。
8月9日 民事再生法の適用申請が棄却され、保全管理命令が発令される。保全管理人から、各学会宛に、今回の不祥事に至った経緯と事後処理に関する説明会を8月17日に開催する旨連絡が入る。
8月10日 理事長・民事再生申し立て代理人名で「民事再生申立・保全管理命令のお知らせとお詫び」のメールが届く。同日、学会事務センター職員全員解雇。
同日 陸水学会メーリングリストを通じて学会員に学会事務センターが民事再生法の適用を申請しこれが棄却されたことを報告し、学会事務センターへの送金を停止するよう連絡。同様の内容をインターネットページにも掲載。評議員各位には、保全管理命令下で金銭授受が凍結されている中、緊急措置として事後承諾で、学会誌および大会プログラムの送付を行った旨、連絡した。
8月12日 Limnology及び陸水学雑誌に「会員に対する急告文書」を同封し、今回の経緯を簡単に説明し、学会事務センターへの送金停止を喚起した。
8月17日 学会事務センターが破産宣告を受ける。東京厚生年金会館にて、破産管財人による事後処理の説明と学会事務センターからのお詫び。日本陸水学会からは小倉会長が出席。
8月23日 滋賀県立大学にて、日本陸水学会拡大幹事会を開催し、事後処理について検討する。なお、拡大幹事会で検討した対応策を9月の新潟大会で提案することとした。

2.(財)日本学会事務センタ−関係人説明会の概要報告

日時 平成16年8月17日(火) 15:00−16:40
場所 東京厚生年金会館ウエルシティ東京
出席者 日本学会事務センタ−関係者5名
破産管財人5名
学会関係者多数

[破産管財人による説明]

○本日(8月17日)9時、東京地方裁判所より破産宣告がだされた

○学会事務センタ−の現状              

・8月6日、東京地方裁判所により保全管理命令が発令され、保全管理人として竹村葉子弁護士が選出され、保全管理に入った。

・負債の状況(平成16年5月31日現在 民事再生手続開始申立書記載の金額)

担保権付債権者 債権者数 2名 債権合計額 4億8000万円
リ−ス債権者 2名 2億4713万3854円
労働債権 112名 3億3032万9404円
租税・公租公課 2名 1059万0001円
一般債権 979名 19億3281万0979円
合計 債権者数総数 1097名 債権総額 30億0086万4038円

・資産はほとんどない

・学会事務センタ−名義の預貯金   約1億5000万円

・7月末の帳簿から見た学会預かり金の欠損 16億6800万円

・学会名義の通帳は手続き後、各学会に返済する

○今後の手続きについて

・破産宣告を受け、9月30日まで他の債権の届出を行う

・11月29日に債権者集会を東京地方裁判所で開催

○学会名義の通帳などの返却手続きについて(田中弁護士)

・通帳、印鑑、学会デ−タ(名簿などCD)の返却方法の手続きについての通知を8月20日に各学会に発送

通帳の返却 9月6・7・8日のいずれか
会計資料、学会データの返却 9月27・28日
その他(バックナンバーなど) 期日未定

○受け皿会社について

・学会事務センターの業務を引き継ぎ、学会に迷惑がかからないようしたい

・新会社は負債を引き継ぐのではなく、営業権を引き継ぐ
 学会事務センタ−従業員が新会社に移り、従来の業務がスム−スにできるようにしたい 

・現在4社と接触しているが、結論を早期(8月末日まで)に出す

[学会事務センター側からのあいさつと経過説明]

○会長(光岡理事長の代理)によるあいさつとおわび

○寺尾専務理事による現在までの経過説明

・学会預り金を管理費などに流用していたが、預り金にも欠損がでた

・大型の資金援助を各方面に要請し、再建再興の道を探ったが、8月4日までに資金獲得の目途はつかなかった

・8月6日に民事再生法の適用を申請したが、8月9日に棄却、8月17日に破産宣告

・現在、破産管財人のもとで、業務整理を行っており、業務を閉じる

[閉会]

その他、多くの質問希望者がいたが、時間となり閉会

3.陸水学会の今後の対応について

 8月17日の説明会をうけ、8月23日に拡大幹事会を開き、今後の対応を協議しました。
まず、伴庶務幹事から、学会事務センター倒産に関する経過報告(上記1)が行われ、引き続き小倉会長から17日の説明会の概要(上記2)について報告が行われました。
次に丸尾会計幹事から、陸水学会の財政状況に関する報告が行われ、学会預かり金(約500万円)が現在回収不能になっていること、これに伴い、年度後半の支出について緊急に検討を要することが明らかにされました。

以上の報告に基づき、

  1. 今後の対応については他学会と連絡を取りつつ進めること。
  2. 学会誌(陸水学雑誌・limnology)第3号の発行を最優先に、平成16年度後半の支出を調整すること
  3. 預かり金が回収できないことを前提に、今後10年間で財政状況を元に戻すためのプランを作成すること
  4. 学会事務センターに委託していた事務(会員名簿管理、会誌発送、会費徴収)を新たに委託する先の選定作業を行うこと
  5. その他(バックナンバーの回収方法や保管方法など)
に関する話し合いが行われました。

 協議の結果は、電子メールにより評議員会に報告しています。その結果を踏まえ、会員の皆様には、9月17−20日に開催される陸水学会新潟大会の総会で詳しくご報告するとともに討議をいただく予定です。

 また、総会での討議結果は、9月27日以降、学会の名簿データの回収ができ次第、できるだけ早い時期に全会員にご報告いたします。




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