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地球惑星科学関連学会1997年合同大会シンポジウム

 「陸域・沿岸生態系の地球変化に対する応答」
  Response of terrestrial and coastal ecosystems to global change
日時:1997年3月25日 9:00-12:30
場所:名古屋大学共通教育棟(名古屋市千種区不老町)

プログラム
和田英太郎(京都大学):「シンポジウムの趣旨」

広瀬忠樹(東北大学):「CO2上昇と陸域生態系の一次生産」

田中克典(京都大学):
  「森林群落上のCO2フラックスとCO2濃度プロファイルモデル」

コメンテータ:菊澤喜八郎(京都大学)

武田博清(京都大学):
  「森林生態系における植物-分解者の相互作用が生み出す
    物質循環の機構:緯度系列にそっての相互作用系の比較」

中口譲(近畿大学):
  「3次元励起・蛍光スペクトル分析法による陸源物質の
    キャラクタリゼーション」

コメンテータ:大田啓一(名古屋大学)

井関和夫(西海区水産研究所):
  「MASFLEX PROJECT: 各フラックス成分の実測による
    東シナ海の炭素循環像」

柳 哲雄(愛媛大学):
  「JGOFS/LOICZ CMTT活動−東シナ海の物質収支モデル」

コメンテータ:増澤敏行(名古屋大学)


シンポジウムの趣旨

 全地球を支配する物理・化学・生物的諸過程とその相互作用を明らかにすることによって、地球環境の変化と人間活動の影響を解明する目的で、IGBP(地球圏ー生物圏国際共同研究計画)がすでにスタートしている。これらの研究を通して、生物圏における炭素循環の概要が次第に明らかにされてきており、二酸化炭素のいわゆるミッシングシンクは、陸域生態系にある可能性が大きいと指摘されるようになった。

 陸域生態系は森林と、湖沼と、そしてそれをつなぐ、森林・水系インタフェースから構成されている。森林生態系は、二酸化炭素の重要なシンクとして機能していると考えられるが、一方陸上で生産された有機物は陸水系に供給され、温室効果ガスの発生源となり、正のフィードバックシステムとして働いている。また、陸域生態系の変動は直接、沿岸における物質循環の変動につながり、陸域生態系から供給された有機物の分解・堆積と、栄養塩・有機物の輸送による生産増大などと結びついている。これらはまた、地球変化へのフィードバックにつながっている。

 このように陸上生態系と沿岸生態系は各々独立のモードの物質循環系を一部もっているが、これらを水系という軸で結びつけることにより、これまでの個別研究では見えてこなかった複合循環系の姿が浮かび上がってくることが期待される。


コンビーナー
  和田英太郎(京都大学生態学研究センター)
  斎藤文紀(地質調査所)
  吉岡崇仁・濱健夫・吉田尚弘(名古屋大学大気水圏科学研究所)


連絡先:
  吉田尚弘 〒464-01名古屋市千種区不老町
        名古屋大学大気水圏科学研究所
        電話:052-789-3470 fax: 052-789-3436
        メール:nyoshida@ihas.nagoya-u.ac.jp


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