日本陸水学会会員の皆さま
去る9月10日~13日の第78回日本陸水学会大津大会の評議員会および総会において提案しました「福島第一原発における凍土遮水壁設置にかかわる意見書」について、さまざまな質問や意見を拝受しました。本件の内容につきましては添付しました提案書に記述しました。ここでは、提出された主な質問や意見について回答したいと思います。
(1)本件は地下学会マターの話で、陸水学会が提起する問題ではないのではないか。
提案書にも書きましたが、本件は地下水だけの問題だけでなく、凍土や降水、放射性物質の挙動など広範囲にわたる陸水の循環にかかわる問題でもあり、陸水学会から提起することは妥当だと思っています。今後は他学会とも情報を共有したいと考えています。ただ、実施にかかわる早急な判断が求められており、まず陸水学会だけでも意見を具申したいと考えて提起しました。ご理解を賜れば幸甚です。
(2)凍土遮水壁工法が最適ではないのか。他に最適な工法は提案できるのか。
膨大なエネルギーを投入して凍土化する手法は、不可逆なプロセスを伴います。つまり失敗したら元には戻らない可能性が高いのです。提案書に述べましたが、多くの危険性を抱えています。地下で進行する目に見えない工法ではなく、多くの人が目で見て納得できる方法があるはずです。たとえば、私は運河方式による遮蔽を提案しています。具体的な工法については多くの提案を白日の下で議論すればよいのですが、当面は凍土遮蔽壁案を取り下げていただくようにお願いしたいと考えています。
これ以外にもご意見や質問があれば、直接、熊谷までメールでお送りください。
熊谷道夫(mkumagai@mwc.biglobe.ne.jp)
また、下記に本件に係る提案書および意見書をリンクしましたのでこちらもご参照ください。